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                                  J・Hair News Vol.6  / J・Hair’s EYE
 ”契約被害”の未然防止へ向け、新たな制度が導入されます。「消費者団体訴訟制度」と呼ばれるもので、すでに内閣府は来春の通常国会に関連法案を提出すると発表しています。制度の中身も固まりつつあります。
どのような制度となるのか、これまでの消費者対応のあり方にどんな影響をもたらすのか、まとめてみました。

 

         ● 消費者団体に「訴える権利」 (欧州では定着)

         ● 不当な約款(契約条項)と不当な勧誘行動の
           「差止め」が中心

         ● 法人格を持つ消費者団体 (要件を厳しくチェック)

         ● 裁判前の交渉で解決 (事例は公表へ)

         ● 新たな制度に対応 (ガイドラインの遵守を)

 
● 消費者団体に「訴える権利」 (欧州では定着)
   消費者団体訴訟制度は、消費者一人ひとりに替わって消費者団体が事業者を提訴することができる制度のことを意味します。
これまでは、被害を受けた消費者しか相手方の事業者を訴えることができませんでした。
消費者団体訴訟制度はその原則に特例を設け、直接には被害を受けない消費者団体に、消費者一人ひとりの利益を代表して訴える権利(訴権)を与えるというものです。欧州では定着していますが、日本ではもちろん初めての制度であり、内閣府の審議会で慎重な検討を繰り返されてきました。六月には導入を前提とした報告書がまとまり、それをもとに来年、法制化される予定です。
  この制度は、数年来の「消費者トラブル増加」を背景に必要性が浮上しました。各地の消費生活センターに寄せられる消費者からの苦情相談件数が毎年過去最高を更新する中で、被害の未然防止へ向けた新たな仕組みとして導入が決定されたのです。四年前に消費者契約法が制定されたときも国会附帯決議のなかに「早急な検討」が盛り込まれていました。

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不当な約款(契約条項)と不当な勧誘行為の「差止め」が中心
   各地の消費生活センターに寄せられた苦情相談件数は昨年度、遂に170万件を突破しました。10年前の実に7.4倍という驚異的な数字です。そのうち契約トラブルは八割を占め、実数としても年々数10万件の単位で急増しています。
  ここまでくると行政による消費者相談窓口だけでは対応が困難となります。新たな規制策の導入が難しい中、消費者団体に白羽の矢が当たりました。事業者の不当な行為を監視し、被害の拡大を未然に防止する活動を消費者団体が担うというものです。
消費者団体訴訟制度は、そのための法的措置を消費者団体に与えることを意味します。
  ただ、いくつかの条件があり、これまでの審議会での結論から言うと、当面、消費者団体が訴えることのできる対象は、「差止め請求」に限られます。また、その範囲は消費者契約法に定められた「不当な約款」と「不当な勧誘行為」に限定されます。被害を受けた際の損害賠償請求については対象に入っていません。もちろん、法案の段階で修正される可能性もありますが、以上のような内容が当面の法案に盛り込まれる事が予想されます。
  では、新制度のもと、どんな裁判が考えられるでしょうか。例えば、フィットネスクラブなどで消費者がけがをしたと仮定しましょう。事業者との契約書(約款)には「事故が発生しても当クラブには一切の責任はありません」と記載されていたとします。その場合、事業者責任を一方的に免罪するこのような契約条項は不当条項として使用差止め訴訟の対象となります。契約段階での違約金の額が消費者契約法で定めた「平均的損害額」を超えるような高額な場合も同様です。
  また、事実と異なるトークを用いて契約を迫ったり、断定的な判断を示して消費者に誤認を与える勧誘をしたり、メリット情報しか伝えず消費者にとってデメリットとなる情報を隠していたり、あるいは、半ば監禁状態のまま長時間にわたり契約を強要する場合なども差止めの対象となります。
  これまでは個々の消費者トラブル、一人一人の消費者との対応が中心でしたが、この制度では、事業者が全社的に実施している勧誘行為や約款内容が裁判で問われることになります。損害賠償は対象外とはいえ、判決内容は消費者団体により、幅広く公表されます。

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法人格を持つ消費者団体 (要件を厳しくチェック)
   日本で始めての制度であるだけに、どのような消費者団体にこのような「訴える権利」(訴権)が与えられるのか、大きな焦点となっています。
  検討結果を見ると、第一に、NPO法人(特定非営利活動法人)などの「法人格」を有していることが前提条件です。その上で、消費者全体の利益を代弁する団体であること、専門家の関与など差止請求権を行使しうる基盤を持っていること、そして不当な目的で訴えを提起する恐れがないこと、など三つの要件が備わっていることが求められます。
  法人格を有している団体であっても、それだけでは「訴権」は与えられません。実際に制度を担える適格団体であるかどうか、あらかじめ国が設定する「判定基準」に基づき審査されます。その審査に合格した団体だけに「訴権」が付与されるわけです。今のところ、このような条件に適合する消費者団体はそんなに多くありません。ほとんどの団体が法人格を取得していないこと、裁判を担える基盤が盤石とは言いがたいことなど、理由は様々です。現在、5団体から10団体が候補に挙がっています。
  ただ、各地で消費者団体訴訟を担う受け皿になろうと、続々と新しい消費者団体が誕生する動きが活発化しています。制度が導入される頃には各地でもっと多くの適格団体が登場する可能性があります。

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裁判前の交渉で解決 (事例は公表へ)
   制度が導入されても、実際の裁判は少ないのではないかとの指摘もあります。裁判に至までをイメージしてみましょう。
  訴権を与えられた適格消費者団体は、寄せられた消費者トラブルを分析し、被害の拡大防止へ向けて事業者との交渉に入ります。その過程で勧誘方法や約款の是正・改善策などを盛り込んだ勧告を出します。これから勧告内容は公表されることが前提です。この交渉段階で合意・解決できればいいのですが、合意できなかった場合に裁判が提訴されるわけです。
  一方では、事前交渉を持つ機会もない切迫したトラブル発生も考えられます。被害防止が早急に求められるような緊急時の場合は、事業者と交渉せずにすぐに提訴することも予想されます。
  どちらをとるか、消費者団体の自主性に委ねられていますが、裁判はあくまでも最後の手段として位置づける意見が多いのが現状です。制度導入の参考とされた欧州の例を見ても、多くの事例が団体との交渉の過程で解決されています。内閣府によると、ドイツでは適格団体は約70団体が登録されており、これら団体が提訴した裁判は年間約100件。フランスでは全国レベルの認可団体18、地方レベルでは800団体が登録され、年間訴訟件数はやはり100件前後、毎年数十件の係争案件を抱えています。どちらの国も裁判より事業者交渉を重視しており、フランスでの訴訟は「取り扱い件数の一割か、二割程度」と説明されています。ほとんどが訴訟前の交渉で解決されているのです。

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● 新たな制度に対応 (ガイドラインの遵守を)
   欧州と日本では、消費者団体の苦情受付体制に歴史的相違があることから同様の訴訟制度を導入したからといって欧州の実情がそのまま当てはまるわけではありません。しかし、業界対応の積極性が一層求められる点では、共通しています。また、日本の制度導入では、各地の消費生活センターや国民生活センターに収集された消費者トラブル事例を適格消費者団体に提供する仕組みも検討されています。これまで以上にトラブル防止策の中身が問われることとなります。
  では、何が必要でしょうか。予定される団体訴訟制度は消費者契約法で規定した不当勧誘・不当約款を対象とします。同法のみならず、特定商取引法や景品表示法の上乗せ規定を盛り込んだ業界の自主基準「毛髪業界の取引に関するガイドライン」の遵守と普遍化こそが新たな制度への対応策と位置付けられます。ガイドラインの重要性を再確認することが出発点です。

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