日本毛髪工業協同組合
 
 
 
毛髪業界とは
ガイドライン講座
J・Hair News
協会加盟会社紹介
協会について
協会について - 組織概要
協会について - 理事及び運営委員
協会について - 社員各社
協会について - 賛助会員各社
入会のご案内
相談窓口
社会貢献活動
日本毛髪工業協同組合
医療用ウィッグ『安心安全』マーク MedMigについて
医療用ウィッグ『安心安全』マーク MedMigの導入を考えている企業様
  
   

    


                                          J・Hair News Vol.7  / J・Hair’s EYE
〜社会を揺るがす高齢者被害急増の教訓〜

 全国に吹き荒れている”リフォーム詐欺”は、高齢者や認知症などの「判断不十分者」を狙った悪質なものだけに、大きな社会問題に発展しました。急きょ数々の被害防止策が導入されています。その中には、リフォーム関連業者だけではなく、全ての販売業者・業界にも影響を及ぼす施策が盛り込まれています。
 その一つが「適合性原則の徹底化」です。過量販売の背景にある過剰与信についても「適合性原則」の観点から捉えなおすことが求められてきます。そこでいくつかの教訓を考えてみました。

◎増加する高齢者被害と若者被害
徹底化される「適合性原則」
 ”リフォーム工事被害”の防止については六省庁の緊急担当課長会議が開かれたり、各自治体が「リフォーム契約110番」を開設して被害の掘り起こしに取り組んだり、迅速な対応が見られました。「110番」では深刻な被害例が明らかになり、認知症高齢者が次々と数千万円規模の不必要な工事契約を強要されている事件が全国で発生していることも判明しました。そこで浮上したのが「適合性原則の徹底化」です。

 昨年六月に施行された消費者基本法は、消費者取引に際して事業者は「消費者の知識・経験及び財産の状況等に配慮すること」と明記しています。これを内閣府は「適合性の原則」とし「事業者の責務」に位置付けました。取引に際して知識・経験の乏しい消費者との契約や、収入に見合わない高額な契約などは避けることを事業者が遵守すべき事項として定めたものです。
 同様の規定は昨年十一月に施行された改正特定商取引法にも盛り込まれ、同法が規制する全ての消費者取引に適用されることとなりました。
 勧誘や契約を結ぶにあたって消費者の知識や経験、収入状況に照らし、過量に商品・サービスを販売したり、高額な契約を迫ったりしないことなどを事業者に求めています。

 リフォーム詐欺事件ではこの適合性原則の違反事例が相次ぎました。各地の消費生活センターには、どんな契約をしたのかさえわからず、肝心の契約書もなくした独居老人の深刻事例が多数寄せられています。そこで各自治体では国に対し、「消費者基本法や特定商取引法が掲げる適合性原則を活用した悪質業者の取り締まり」を要望するに至っています。
 この視点は高齢者被害だけに限りません。例えば、連鎖販売取引にかかわる若者被害でも適合性原則の厳格な活用を求める意見が目立ち始めました。
 昨今の消費者苦情相談で特徴的なことは「高齢者」と「若者」の被害が拡大していることです。認知症など判断不十分な高齢者の被害、連鎖販売取引に関して高額商品を購入させられた若者被害などが増加傾向にあるのです。それを警戒した自治体の中には、事業者の実態調査に取り組み、取引の適正化を指導しているところもあります。

 若者をターゲットにした連鎖販売取引では、学生や未成年者に入会を勧誘し、トラブルになっている例が目立ちます。連鎖販売ではほとんどの事業者(本部)がそのような入会を自主基準で禁止しているのに、末端の勧誘員が暴走しているのです。
 学生や未成年者では独立した一事業者として適正な連鎖販売取引活動は行えません。資金も経験も不足している場合が多いのが普通です。
 その点を重視したある自治体は、学生などへの勧誘は、「特定商取引法で規定する適合性原則違反になる可能性が高い。再発防止策を検討して欲しい」と国に要望しています。
 このような社会的要請を受け、業界団体の中には自主基準を改定し、適合性原則の明確化について検討に着手したところもあります。

ページTOPへ

◎各地で事例検討会スタート
与信問題も争点に
 今回のリフォーム詐欺事件では過剰与信の問題も明らかになりました。悪質な販売事業者が信販会社とクレジット加盟店契約を結び、過剰与信を生み出す、ごれが高額被害発生の背景として指摘されたのです。信販会社の監視機能があまり働いていなかったという問題です。

 そこで経済産業省は、クレジット業界に対し、「悪質販売事業者の総点検」を命じました。加盟店契約を結んでいる販売会社に消費者トラブルが急増しているところはないか、あるとしたら、その内容や件数、消費者の解約理由、契約消費者の年齢なども含め、総点検し、不適正な取引を継続している販売事業者とはクレジット加盟店契約を解除することも検討せよ、と求めています。これほど具体的で厳しい指示が出たのは初めてです。しかも、指示の範囲がリフォーム関連の分野に限らない点も重要で、他の分野でも同様のトラブルが発生していないか、総点検を信販会社に命じています。

 過剰与信・過量販売の問題も結局は、勧誘のときに販売員が「適合性原則」を遵守するのか、しないのか、その姿勢が問われる問題です。
 経済産業省では、総点検した結果として「報告書」を提出するようクレジット業界に求めていますので、報告書の内容次第では、新たにクレジット加盟店管理のあり方が検討される可能性があります。
 実際、多くの自治体では消費者被害急増を背景に、その未然防止へ向け、クレジット会社による加盟店管理責任を法律に明記するよう、要求しています。
 リフォーム詐欺事件を契機にその流れはさらに強まっています。

 経済産業省が取り組む措置にはこのほかに、特定商取引法の執行強化と「被害事例の検討会」開催が挙げられます。「執行強化」とは行政処分などの促進です。これもリフォーム業者に限りません。実際、同省はリフォーム詐欺事件の社会問題化を契機に、連鎖販売、電話勧誘、訪問販売などの分野でも問題事業者の社名公表を積極化させています。
 後者の「事例検討会」は、契約の取消や被害者救済のためのルールを活用するために、各地の消費生活センターに寄せられた苦情事例を持ち寄り、検討し、相談処理の迅速化を図るものです。今年度から開始され、すでに7月には仙台市で第一回目が、9月には大阪で第二回目が開かれました。引き続き、福岡(11月)、東京(期日未定)での開催が予定されています。
 この事例検討会は同省にとって初めての試み。クーリング・オフ(無条件解約)が妨害された場合の対処法や、不実(うそ)を言われて契約したときの解約の仕方など、改正特定商取引法に盛り込まれた民事ルールの活用を検討するものです。

 仙台での検討会では、リフォーム詐欺被害、若者の連鎖販売被害、業務提携誘引販売(内職・モニター商法)被害などの具体例が報告され、それに対し、解決法などが提示されました。当然、報告されるのは実際に発生した、生きた事例ですので、特定商取引法だけではなく、消費者契約法を使った解決法も検討されます。
 このように、リフォーム詐欺事件をきっかけに、様々な分野にわたる行政措置が採用されるようになりました。私たちはどう考えていくべきでしょうか。

ページTOPへ

◎ガイドライン遵守を徹底化
消費者の信頼確保へ
 リフォーム工事トラブルでは「詐欺」という犯罪行為が浮上しました。犯罪は言語道断ですが、それを契機に注目され始めた「適合性原則の徹底化」は、事業者の姿勢次第で適正・公正な取引の普及に役立つものです。その核心は、消費者に無理を強いるような契約は将来のトラブルにつながることを事業者自身が認識することにあります。要するに、消費者の信頼確保を前提にした考え方です。

 当協会のガイドラインは、もともとこの消費者の信頼確保を基本に置き、業界の健全化を目指して策定・提示されました。法的規制以上の自主規制と、実情に合わせた様々な民事ルールを盛り込み、取引の適正化を図る、そのための指針として活用されています。ガイドライン運用にあたっては当協会と連携関係にある全ての事業者から実効性への評価を得ています。原点に消費者保護の視点が据えられたガイドラインであること、その徹底遵守こそ消費者の信頼確保向上につながること、この確信を共有しましょう。リフォーム詐欺事件を”他山の石”とすれば、ますますガイドラインの重要性が浮き彫りになるのではないでしょうか。

ページTOPへ


Copyright©  NMK.GR.JP  All rights reserved.